俺のボディガードは陰陽師。


「あ、そうなの?へぇー。このペンギン、ぴんぐーみたいにオレンジの配色ないな」

「ぴんぐーは恐らくオウサマペンギンだ。これはヒゲペンギン」

「へぇー。よく知ってんなー」

俺も何を解説してるんだか…。



するとそこで、テレビの中のペンギンが腹で氷の上を順番に滑り始めており、思わず「おっ!」と声をあげて立ち上がってしまった。

腹滑り…可愛い!

愛くるしい…!



しかし、そこでハッと我に返る。



隣に座っているなずなが、こっちを見てニヤニヤと悪く笑っていた。



「あまりの可愛さに興奮して立ち上がってんのー?」

「う、うるせえな!」

「可愛いとこあんね?」

「何っ!」



可愛いと言われてしまった…。

昨日のメソメソ状態といい、醜態を晒してばかり…!

もう嫌になるわ。



「…あ、おペン、泳いでる」



だから。おペン言うな。



「…ホントに、空を飛んでるみたい」



テレビの中のペンギンたちは、暗い色の水中を、すいすいと泳いでいる。

潜って、体を揺らして。


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