俺のボディガードは陰陽師。
…ホントだ。
すいすいと泳いでいるその姿は。
自由に空を飛んでるみたい。
…俺も、こうして自由に飛んでみたい。
親父の言いなりにならずに。
そう思ったこともあった。
だけど、結局ペンギンが飛べるのは水中のみであって。
陸に上がってしまえば飛ぶことは出来ず、空への自由は…ない。
俺も、同じなのかな。
与えられた場所でしか生きていけない。
親父の手の中でしか…。
「ホント自由気ままな連中だなー。このおペンたちは」
そう言って、なずなは笑う。
「…自由気まま?」
「だって好きなように好きなとこへ、てくてくと歩いているだけだろー。いいな。減俸のことなんて考えずに済んで…」
そう言って、またずーんと落ち込んでいる。
なぜそこに結び付くんだ。
自由気ままに歩いているだけなのか。
はたまた、与えられた場所でしか生きていけないのか。
要は、見方…か。
やれやれ。
「…おい!ちょっとあれあれ!一匹だけデブなおペンいる!なまらウケるー!あはは!」
「…お、ホントだ。一匹だけふくよかだ。って、おペン言うな!」
「え?じゃあペンギン様?あはー」