俺のボディガードは陰陽師。



顧問陰陽師…。



…と、いうのも。うちは建設会社という職柄、建物を造る上で、地鎮祭ですとか建立祭などの儀式が通過点にある。

たまに事故物件に関する件もあり、このお祓いという聖なる儀式をする人は欠かせないらしい。

そんな関係の事柄を調査する部門があるという話は前々から聞いていた。

顧問陰陽師?弁護士と同じ扱いか!と、ツッコミたくなるが…。




『伶士!うちはお家柄、命を狙ってくる輩もいるということを、前から話してあるだろうがぁっ!ここは大人しく、言うことを聞けぇぇっ!』




…ここまで盛り上がってしまってたら、もう手が付けられないのがうちの親父。

忠晴の朝の一言も思い出してしまい、ここは大人しく従うことにした。




《少しお考えくださいませ》




…ったく。

わかってる。わかってるよ。

親父に大切にされてることぐらい。



…大切?



(…)



…違う。



大切にされてるというか。

単に過保護なだけだ。

俺が兄貴より出来が悪くて、頼りないばかりに。



会社の跡取りであろうと言われている、親父の金ばっか使って夜な夜な遊んでチャラチャラしてるけど、成績優秀完璧な兄貴より。

俺の出来が、悪いから。


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