俺のボディガードは陰陽師。
「なずぽよー!おまえなしたのよー!何でサッカー部の試合来たのよー!」
チカの大声での問いかけを、横で聞いていてギクッとさせられる。
まさか、そこのギャルが俺の警護でやってきたとは誰も思わない。
しかし、チカも相変わらず大胆だな。観客席に向かって大声で話しかけるなんて。
なずなも、まさかだけど…言わねえだろな?
いつしかのように『私は伶士の用心棒だ!』なんて、言わねえだろな…?
ヒヤヒヤしながら、その場を見守る。
その当人のなずなは、横にいる忠晴に耳打ちされたのち、大声で返答していた。
「応援に来たんだぜー!サッカー部頑張れよー!」
そう言って、こっちに向かって更に手を振りまくる。
…ホッとさせられる。
言わないでおいてくれた。
「誰の応援来たのよー!」
「みんなの応援だー!」
「っていうか、そのおじいさんと何でいるのよー!」
「さっきそこらへんで会ったー!まあ気にすんな!頑張れよー!」
忠晴の指導でなんとかうまく誤魔化しているようだ。
なんとか。
やれやれ。こんなことにもヒヤヒヤしなきゃいけないなんて。