俺のボディガードは陰陽師。
「待たせてごめん!」
牛丼屋の近くで待機していた忠晴の車に乗り込む。
到着の連絡があってからも、しばらくみんなと立ち話していたので、だいぶ待たせてしまった。
「伶士、おかえりー」
助手席からひょっこり後部座席に顔を出す。
なずなだ。
「…おまえもずっと一緒に待ってたの?」
「そだよー。ね?忠晴さん?」
「ええ」
ふーん…。
ゆっくりと車が発進する。
忠晴、執事服に着替えてる。
いつの間に。
「試合勝ったね。おつかれー」
引き続き、なずなが話し掛けてくる。
「あ、あぁ…」と、素っ気ない返事をしてしまった。
「サッカー初めて見たけど、なんか楽しいね」
「…おまえ、サッカーわかんないんじゃなかったの?」
「うん。でも忠晴さん横で説明してくれたから、まあまあ楽しめた。…えーと。何だっけ。伶士のポジションがふぉわーど…」
「そうですよ。なずなさん、よく覚えましたね」
「やったー」
二人で和気あいあいと談笑しているのを、後ろから見守る。
ふーん。
「…そういや、二人とも昼飯は?俺は食べちゃったけど」