俺のボディガードは陰陽師。
「…え?伶士、濱岡屋食べたことないの?」
なずなが素朴な疑問をかけてくるが、それに被せるように、忠晴が「ダメダメダメ!ダメですー!」と、叫び出した。
「ダメです!あんな塩分たっぷり脂ギトギトの体に悪いものしかないラーメン、伶士さまのお口に入れるワケにはいきません!」
「えっ…えぇっ!何でだよー!」
「あのラーメンは、血圧上昇、生活習慣病間違いなしでございます!絶対に口にしてはなりません!」
ええぇぇっ!
なぜ!
なぜ許可がおりない!
うっとりするぐらい美味しいラーメン、何で食べちゃいけないんだ!
「まぁー。確かにお坊っちゃまのお上品なお口には合わないかもなー」
そう言って、なずなは一人でウンウンと頷いている。
「お上品なお口!…俺だって、マクドも牛丼もラーメンも立ち食いそばもデビューしたんだぞ!」
「デビューってなんだよ。そんなもの胸張ってデビュー言うほどのデビューじゃねえよ?ぶっちゃけ恥ずかしいぞ?」
「仕方ありません、なずなさん。伶士さまには生まれてこのかた、高級な食材、高級な料理しか与えておりませんでしたので。塩と油だらけのポテトなんてとんでもない…」