俺のボディガードは陰陽師。
核心をズバッと突かれてしまい、受け答えがぎこちなくなってしまった。
っつーか、平民の高校って何なんだ。
まあこうも真っ正直から直球投げてくるよな。
でも…腫れ物触るように、顔色伺われるよりは良いか。
…そう思うと、頑なに閉ざしていた扉は、いとも簡単に開いてしまう。
「まあ…瞳真くんとサッカーやりたかったのは本当だよ。強豪校でサッカーに打ち込んでみたかったし。それは譲れなかった」
「ほぉー」
「でも、金持ち学園が嫌になったってのも少なからずある…かな」
「…嫌になった?」
なずなの問いかけに、静かに頷く。
「…親父と兄貴が凄すぎるから」
親父と兄貴が凄すぎる。
そう感じてしまったのは、いつからだろうか。
…いや、昔からわかっていたんだけど。
あの学園で、時間を重ねる度にそれを肌で感じるようになった。
金持ちセレブ学園というぐらいなので、学園の生徒はみんなセレブの子。
生徒の親は大中企業の社長や重役、政治家、様々な方面の著名人などなど。
しかし、そんな中でも、祖父が取り仕切っている橘グループは、日本でもトップクラスの企業で、親父は社長。
親父も成績優秀者卒業生。
そんなことで、俺は昔から周りの生徒から一目置かれる存在だった。