俺のボディガードは陰陽師。
幼稚園、初等部の時はなぜか俺に敬語を使ってくるヤツがいた。
クラスメイトの親にもそんな人がいる。
あの子は橘のお坊っちゃんだから、失礼なことしちゃダメよ?仲良くしなさいよ?なんて。
しかし、年齢を重ねるにつれて。
今度は周りの奴らがこそこそと陰で言う。
『橘の御曹司だぜ?…一緒にいりゃ何か恩恵あるかもな?』
『橘グループの息子だよ?彼氏とか超鼻高いじゃん!仲良くしとこ?』
みんな、俺を見てるんじゃない。
俺の生まれた家、親父を見てるんだ。
誰も俺なんか見てない。
そんな中で、兄貴が学園史上の成績優秀者として周りから崇められる。
成績学年トップで、全国模試も好順位で。
スポーツから芸術面まで、大会、コンクールとくれば必ず賞を獲るほどの奇才で。
その上、イケメンすぎて学園の王子様と呼ばれる。
そんな完璧な兄貴に恩恵を受けようと、くっついて歩く生徒がものすごくいたが。
兄貴は、それとなくうまくやっていた。
学園の人気者。VIP扱い。
…俺だって、そんな兄貴に負けないようにいろんな事を頑張った。