俺のボディガードは陰陽師。

『伶士は頑張り屋だから、あまり無理しないでね?』



俺のことを…心配してくれる。



常に孤独感がまとわりついていた俺にとって、理解者が現れた。

ただ、ただそれだけで、俺は救われたような気になって。

そんな単純な理由で、彼女に惹かれていく。

更に関係が深くなり、恋人同士になったのは、それから二ヶ月経った頃、六月の話だった。



薫は、振る舞いは控えめではあるが、向上心が強く、ストイック。

何に関しても頑張り屋。

そんな彼女を素敵だと思っていた。



…でも、そのストイックさが、破局の原因を招く。



それは、ちょうど一年前。

夏の暑さも徐々に落ち着いてきた頃。



『…パーティー?』

『うん。高等部のVIP主催のナイトパーティー。招待状もらったの。伶士も行くでしょ?』



VIP主催のパーティー。

…あぁ、それか。

昨年まで高等部のVIPの一員である兄貴に連れられて行った。

リゾート地の別荘まるごと借りきって催される、高等部の中でもVIPと呼ばれる人達が主催のパーティー。


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