俺のボディガードは陰陽師。


『…俺は行かない』

『え?何で?』

『その日、チームに顔だして後輩に練習つける約束してんだ』



…いや、本当は行きたくないんだ。

元々パーティーが苦手だし。

それに…VIP主催のパーティーはエグい。


未成年だが、酒はもちろん、男女の一晩の関係、ドラッグまでもが飛び交う。

なずなの言うとおり、乱交パーティーと言われてもおかしくはない。

警察来たら一発アウトのパーティー。


そんなものに楽しみも感じないし、苦痛でしかない。

もう二度と行きたくないと思った。



しかし、薫は違う。



『…そうなんだ。残念。じゃあ紗由理と二人で行ってくるね』

『えっ…行くの?』

『え?行くに決まってるでしょ?…だって、VIP主催だもん。レディクラだって来るじゃない。ここで顔を売っておかないと』



高等部のレディクラ。

家柄、成績共にトップクラスの女子生徒のみが入れるサークル。

教師達からも評価される、まさに女子生徒のカーストの頂点だ。

薫には、前々からこのレディクラ入りを目指している話を聞かされていた。



…しかし、その華やかな集団の裏を、俺は知っている。

はっきり言って、薫にはそんな集団の一員になってほしくない。


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