俺のボディガードは陰陽師。

薫の勘違いした上昇志向は、本当に行くとこまで行っていた。

レディクラに自分の理想と憧れを掲げ、それはもう修正が効かない。

それをきっかけに、俺は薫に避けられ、無視される。

ただのケンカなら良かったのだけど。



でも、薫は俺の反対を押しきって、そのパーティーへと出掛けてしまった。

止められなかった。



そのパーティーには大学生となったOBの兄貴も招待されて参加していたらしい。

『伶士の彼女、パーティー来てたよ?可愛いかった』

と、言われ違和感を覚える。

俺…兄貴に薫のこと話したことないのに。



しかし、事の顛末を知るのは、テレビドラマによくある最悪の場面というカタチだった。



そのパーティーの件でモメて以来、薫とはまともに話せていない。

目も合わせてもらえない日々が続いていた。

俺がレディクラを貶したことが、相当ご立腹だったと見える。



でも、ちゃんと話をしなきゃとは思っていても。

俺としては、素直な感情を述べただけで、何も悪いことはしていない。

そういう考えが頭にあるから、謝ろうという気にもなれず。

ずるずると月日が経っていく。

もう、自然消滅のようなものだ。


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