俺のボディガードは陰陽師。


…そんな事から一ヶ月ほど経ち、暦も10月になったばかりの頃。



俺は仲間内でのホテルのレストランでの食事会に参加する。

幼稚園から今まで付き合いがあり、親同士も仲が良い同級生男女七人で、定期的に行われている食事会。

近況報告の会みたいなもの。

…もう、表面上のお付き合いみたいなもので、仲間と認識はしていないが。

ただのお付き合い。

話していることだって、親の会社の経営状況の自慢だとか、噂話、気取った話ばかり。

先日、イタリア行ってきたとか、ノーベル賞受賞者と食事をしただとか。



しかし、そんな気取った話の中で。

急に話を振られる。



『…伶士、あの』

テーブルの向かいに座っている呉服屋の息子、凌憲(りょうけん)が話しづらそうにしながらも、こっちを伺う。

『…ん?何?』

『…宮内さんとはどうなってるの?』

『え…』

『あ、最近一緒にいるのを見ないからさ?』

『………』



俺達の様子は、周りにも気付かれているようだ。

しかし、気付かれているなら隠すところではない。



『…たぶん、もう自然消滅。俺が余計なことを言ったから』

『え…』


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