俺のボディガードは陰陽師。

吹っ切れたとは言っても、それは全てではない。

少しでも思い出してしまうと、次々と思い出されてしまうものだ。

あの時の痛みも。



…その件があった数日後。

目の前にが闇となり、混沌としていた俺だったが。

ユースの仲間とたまたま見に行った高校サッカー予選の準決勝の試合で、瞳真くんと再会し。

学園を辞めて公立高校への受験することを決心する。

…一筋の光が差して、闇が消え去った。



そんな受験勉強に勤しんでいる中、学年の女子の立ち話を偶然聞いてしまう。



『ちょっとちょっと!橘くん、北桜辞めて公立受け直すって!』

『えー!ひょっとして、お兄さんに彼女取られたから、北桜にいられなくなったとか?ほら、あの宮内薫…』

『うわっ!宮内も弟から兄へハシゴとか…鬼畜!』

『でも確かに同じ橘グループの人間なら、イケメンなだけの弟より、同じイケメンかつ開校して以来の成績優秀者な兄の方に行くよねー?』

『イケメン一人いなくなるー!残念よねー!あはは!』



…そんな理由で辞めるんじゃないのに。

本人がいないのをいいことに、ありもしない話まで枝葉付けてくる。

でも…いろいろ重なった状況だから、仕方ないと言えばそうだ。



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