俺のボディガードは陰陽師。

「あ、そう…」


と、答えるしかない。

話、発展しなかった。

そこでLINEの着信が入ってきて、手にしていたスマホの画面を見る。



「…伶士ってさ、しゃちょーのこと気にしてるよね」

「…えっ?!」



油断していたところに、思わぬ質問を投げ掛けられ、ビクッと肩を震わせてしまった。

なずなの顔は、スマホの方に向いていながらも、いたずらそうに笑っている。



何だ急に…!



「…前に言ってたよね。『俺が出来の悪い息子だから親父に過保護にされ過ぎている』とか『いちいち首突っ込んでくる親父がウザい』とか」

「あ、うん…」

「あと『俺は期待されていない』だとか『兄貴と比べられている』とか?」

「そ、そうだよ!…だから何だよ!」



こいつ、痛いところリピートしやがって!



「…自己評価、低いなー?」

「は?」

「だって伶士、高校では成績ダントツ学年トップなんだってな?みっちょに言われるまで気付かなかった」

「い、今はそうだけど北桜では…」

「星天も一応進学校だけど?…それに、学祭のミスコン三位?これもみっちょに言われるまで気付かなかった」


< 280 / 504 >

この作品をシェア

pagetop