俺のボディガードは陰陽師。
「あ、そう…」
と、答えるしかない。
話、発展しなかった。
そこでLINEの着信が入ってきて、手にしていたスマホの画面を見る。
「…伶士ってさ、しゃちょーのこと気にしてるよね」
「…えっ?!」
油断していたところに、思わぬ質問を投げ掛けられ、ビクッと肩を震わせてしまった。
なずなの顔は、スマホの方に向いていながらも、いたずらそうに笑っている。
何だ急に…!
「…前に言ってたよね。『俺が出来の悪い息子だから親父に過保護にされ過ぎている』とか『いちいち首突っ込んでくる親父がウザい』とか」
「あ、うん…」
「あと『俺は期待されていない』だとか『兄貴と比べられている』とか?」
「そ、そうだよ!…だから何だよ!」
こいつ、痛いところリピートしやがって!
「…自己評価、低いなー?」
「は?」
「だって伶士、高校では成績ダントツ学年トップなんだってな?みっちょに言われるまで気付かなかった」
「い、今はそうだけど北桜では…」
「星天も一応進学校だけど?…それに、学祭のミスコン三位?これもみっちょに言われるまで気付かなかった」