俺のボディガードは陰陽師。

は…。



「イケメン度では伶士の方がカッコいいと思う。私なら伶士を選ぶけど」



は…何っ!



今、何て言った?



…だなんてことは、ともかく。

なずなのその一言に。

意識とは裏腹に、恥ずかしさが込み上げてきて、ソワソワしてきてしまった。

意味もなく、キョロキョロしてしまう。



(ああぁぁ…えっと…)



こいつ、そんな照れくさいことを恥ずかしげもなくサラッと!



しかし、その様子はしっかり見られていた。



「…どした?…ひょっとして今ので照れてんの?」



…はっ!しまった!



なずなの方を見ると、悪魔のようにニヤニヤと悪い顔して笑っている…!



「カッコいい言われて照れてんの?」

「ち、ちがっ…」

「可愛いとこあんね?」

「…このっ!」



ムキになって反発すると、なずなは「顔赤いよー?」と、また豪快に笑っていた。

悪そうな笑みそのまんま。



恥ずかしい…恥ずかしい!

ズバリ指摘してきやがって!



…でも、なぜ照れてしまったんだ。

こんなこと言われて照れたことなんか、一度もないのに。

カッコいいとか、俺の方がいいとか…。



なぜ…。



「…だから、しゃちょーも伶士が可愛いんだよ」

「…は?」



油断していたところにまた、思わぬ発言を投げ掛けられ、驚いた。


< 282 / 504 >

この作品をシェア

pagetop