俺のボディガードは陰陽師。
★★★








ここは、市内一の一等地でセレブがこぞって住み着く地域。

その地域でも、モダンな外観の一際大きい大豪邸。

その大きな大きなリビングには、大きな大きな天井窓。

そこから広く射し込む朝陽は、少し重たい寝起きの頭を少しばかり目覚めさせる。



本日は、部活の朝練が休みなので、いつもより遅く起きて制服に着替える。

体は疲れが溜まっているのか、少し怠い。

支度を終えて部屋を出て、だいぶ長い廊下を歩き、階段を使って下へ降りて、何の意味もないだだっ広いリビングへと向かった。



そんな天井窓から射し込んでくる朝陽が気持ちいい。

疲れも昇華されるような気がする。



ただデカいだけのセレブの豪邸、メリットはそんなんしかない。

…と、俺は思っている。





「伶士さま、おはようございます」

「…あ、おはよう。忠晴」



俺がこのだだっ広いリビングに顔を出すと、すかさずやってくるのが、この執事の忠晴。

この大豪邸のただ一人の使用人。

「伶士さま、お食事の準備が出来てございます。旦那様も奥方様もいらしておりますよ」

そう言って、忠晴は俺の肩にかけてあるカバンをあっという間に奪い取って、ソファーに丁重に置いてしまう。

「あっ…」

自分でやるからいいのに!


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