俺のボディガードは陰陽師。

「わわっ、わっ!…ちっ!」



地面が揺れるだけじゃなく、盛り上がったり沈んだりと波打ち始める。

その衝撃で、なずなの足元も揺れてバランスを崩し、ふらついて霊符を投げ損ねていた。




「…あっ!」



俺もイレギュラーに波打つ地面に、バランスが取れず、グラッとふらついてしまう。

その弾みで座り込んだ際に、胸元に持っていたおてもとをポロッと落としてしまった。

足にぶつかって、離れたところへ落ちた。



…あ。あぁぁっ!まずいまずい!

おてもとが!



少し離れたところに飛んでいったおてもとに、慌てて手を伸ばす。




「…伶士いぃぃっ!…後ろぉぉっ!」



後ろ?!



なずなの叫び声を耳にして、反射でバッと振り向く。



…が。



「あ…」



俺の目の前には、すでに。

デカい手の平が。



…先日の化学教室での出来事が甦る。

前にも、こんなこと…あった。



いつの間に…!



逃げようにも、座り込んでいるという体勢が悪く。

立ち上がる間もなく、真上から影が落とされる。



逃げ…られない!


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