俺のボディガードは陰陽師。
『心配ない』の一言で、片付けようとしやがって…!
いつどんな状況でも、この対応はまとわりつくのか!
(………)
親父の背中を睨み付ける。
胸の奥から、あの真っ黒い感情が蠢いて立ち込めていくような気がした。
しかし、それに続く反論がなぜか言えず。
ただ黙って、怒りを堪えることしか出来なかった。
俺が話を聞いたって、仕方がないことなのか?
出来の悪い俺は…お荷物か?
「…しゃちょー。そりゃねえよ」
そう言って、なずなは立ち止まる。
「…ん?何だ?なずな」
親父も再び立ち止まって振り返り、目を細めてなずなを見た。
「俺の言うとおりにしていろ!って、そりゃねえよ、しゃちょー」
「…は?」
「伶士に話を聞かせないつもり?部屋で寝てろってさ」
「い、いやいや。それは伶士が熱あるっていうから…」
「伶士はたいしたことないって言ってるじゃん。それに、この件の被害者は伶士だよ?話を聞く権利あると思うけど。伶士だって話を聞きたいんだよ?」
「権利って、お、おまえ…」
バツが悪そうに、チラッと俺を見る。