俺のボディガードは陰陽師。
食べられるって、俺、牛豚鶏じゃねえし。
馬でも猪でもないのに。
食べられる…?
ますます眩暈がしてきた。
…いや、モノの例えじゃなくて。
本当に、頭がぐらぐらするんだ。
体に力が入らなくなってきて。
意識も遠退きそう。
「最初は『生き霊がどうしたいのか』に焦点を当てて、双方にメリットがある対応をするために調査してましたが…生き霊は死霊になり、妖化しかけてるとなれば、これはもう問答無用で…」
問答無用で…なんすか…?
「…伶士?…あっ!」
問答無用で…何?
そのセリフの続きを聞き取ることが出来ず、遠退いていた意識は、完全に途切れてしまう。
体もフワッとして、無重力状態となった。
「…伶士!伶士!どうしたんだ!」
「やばっ…すごい熱!」
…もう、頭がごちゃごちゃだ。
変な悪霊に追われていて。
その悪霊は、実は親父の愛人で。
しかも、母さんと婚約している最中に愛人がいたとか。
その愛人が死んで、妖怪になりかけているとか。
で、俺を狙って食べようとしてるとか。
何なんだ。
問答無用で…何?
もう、何が何だか。
ワケわかんねえよ。