俺のボディガードは陰陽師。
その小さな頭、こんな枕元の傍にあったなんて気付かなかった。
そっと覗き込んでみる。
…ヤツは、マットレスの端に右頬を埋めてただいま眠っている。
床に座り込んだまま眠っているところ、寝落ち?
指一本入るくらい口が開いていた。
顔を近付けても…起きない。
…あ、すっぴんだ。
いつもの部屋着だし、風呂入ったんだろうか。
フワッと良い香りが鼻を掠める。
(………)
こいつ、いつからここにいたんだろう。
その無防備な笑顔からなぜか目を離せず、見つめ続けてしまう。
本っ当に、不思議なんだよな…。
《結界張ってる敷地出たところを待ち伏せなんざ、いい度胸してんじゃねえかよ…この腐れアマぁっ!》
…さっきまで、あんなにギラギラとバトルしてたのに。
この無防備な寝顔、何なんだよ。
ギャルメイクをも落とした今、ただの可愛い女子じゃねえかよ。
《全てを護り通しますって、私は言ったよ!女に二言はない!》
女に二言はないって…随分と男気あること言ってくれるじゃねえか?
今のこの緩んだ寝顔からじゃ、想像できないわ。