俺のボディガードは陰陽師。
いや、心配は…してたか。
不安はあるよ。いろいろ。
朝の件も、平静を装っているけど、本当は動揺してるんだよ。
忠晴や兄貴のイタズラじゃないとしたら、じゃあ何?って。
まさか、親父の言ってた通り、本当に悪霊とやらの仕業なのか?
なんて。
そんなことを考えては俯くが、菩提さんが腕時計をチラッと見ながら、窓の外を気にしているのに気が付いた。
時間、気にしてる?
それとも…。
「…あの、どうされたんですか?」
人のことが気になる性分なので、思わず尋ねてしまう。
俺の問いに気付いた彼は、またしても柔らかい笑みを向けて答えていた。
「…あ、ごめんね。もう一人来るはずなんだけど、なかなか来なくて」
「もう一人?」
え…陰陽師、もう一人来るの?
ここにいる菩提さんだけじゃないの?
「この件に関しては、俺は調査のヘルプでメインのオペレーションはもう一人にやってもらおうと思ってるんだ。橘社長の息子がクライアントだから、丁重に失礼のないように…ね?」
オペレーション?クライアント?
…陰陽師が横文字?
すごい違和感。