俺のボディガードは陰陽師。

痛いところを突かれたのか、あんなに勢いがあったなずなは、一瞬で小さくなってしまった。

彼の静かな威圧感半端ない。





「…これはこれは、音宮の雇われボスの、エリート陰陽師さん?」



衝立ガラスの向こうには、あの男が薄ら笑いを菩提さんにも向けている。

菩提さんも冷めた視線を送っているが。



「…これはこれは、仲間もいなくなって独りぼっちの中途半端厨二病ヤロー?…久々に現れたと思ったら、何やってくれてるんだ?」



しかし、そんな冷たい視線と凄まじいディスり具合にもこの男性は動揺を見せない。

むしろ、喜んでいるかのように笑みを見せる。



「俺を独りぼっちにしたのは、君たちでしょ?ひどいなぁ」

「君の行いが悪いからだ。…で、今は世間話をするつもりはない」



菩提さんが手をかざすと、なずなと男性の間に現れた衝立のガラスはフッと消える。

そして、冷たく言葉が放たれた。



「リグ・ヴェーダ…君は、俺達に追われている身だってこと、わかってる?」




(追われて…?)



話の内容や経過はよくわからないが。

菩提さんたちが、この男性を追っているってことか…?


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