俺のボディガードは陰陽師。
「…きもっ!…翼、出すな!」
なずなはそう怒鳴りながら、髪や肩をほろっている。
恐らく、この黒い羽根が体にまとわりついたのだろう。
「…これを翼で隠してるのは、一苦労だったよ?…こんなデカいバケモノ」
地面がドンッと揺れた。
体が、電気が走ったみたいにビリッときて肌が痛む。
痛みを抱えながらも、ふと顔を上げた…が。
(…えっ!)
その時。
ここから少し離れた場所には、いつの間にか。
見てくれもおぞましくなってしまったモノが…いた。
「なっ…こんな!」
なずなと菩提さんも、先ほど以上に驚いて固まってしまっている。
そこには…サイズが縦も横も尋常じゃないほど、俺達人間の10倍はあるぐらいの大きさ。
その体からは、無数に何本もの手が伸びて獰猛に動いていて。
ピンクの爪をあしらった、二つの手だけがやけにバカデカい。
もう、手だらけで、顔や足がどこにあるかわからない。
もはや…その見てくれは、妖怪。
でも、その爪、手でわかる。
あれは、俺を襲った鹿畑倫子さんだ。
先日お会いした時より、だいぶ見てくれが変わって…!