俺のボディガードは陰陽師。
…そうだ。
この鹿畑倫子さんの霊は。
あの黒い翼の男の手によって、無理矢理こんな姿に変えられた…。
それは、許されることではない。
素人の俺にでもわかる。
「…なずな、退魔調伏だ。ここまで来たら、もう自我も完全に失っている…」
俺の目の前にいる菩提さんは、そう言ってコートの内ポケットを探る。
そして、中から出てきたのは…鞘に収められた、小刀二つ。
「こっちは任せろ。クライアントは、俺が結界を張ってガードする。フォローは任せろ」
「…剣軌」
「…なずな、『力』を使え。…おもいっきり暴れてこい」
こっちをチラッと見たのち、頷いてそのバケモノを改めて見上げる。
「…了解」