俺のボディガードは陰陽師。
「極稀なケースだけど、無くはない。恐らく、奥様の登場が刺激になって自我を取り戻した…と、考えられる」
「えっ…」
妖怪となり自我を失って、本能のままに暴れまくっていた鹿畑倫子さんが。
母さんが出て来て担架をきったことで、自我を取り戻したってこと…?
「妖化しきっていないと言うのなら、こちらにも分がある…なずな」
「ヘイ、ボス」
「『絶対従者』の力を解け。言霊の鎮魂に切り替えろ」
「…無茶振りするね?」
と、言いながらも。
なずなは、悪そうな笑みを浮かべている。
命じられるその内容を、わかっていたかのように。
「…妖化を沈めて、成仏させる」
「…了解」