俺のボディガードは陰陽師。
『幸せ』とは何か。
それは、いろんなカタチがあると思う。
お金や愛で幸せの度合いを量ったり。
はたまた俺みたいにただ平穏な生活が、極上の幸せと感じたり。
人それぞれだと思う。
それがどこに転がってるかも、それぞれだ。
「本当の幸せってやつは、気付けばそこにあるもの…前を向いて、この世を力の限り頑張って生きていれば、必ずそこにある。…と、私は信じてる」
しかし、自分自身の幸せは何なのかを、自分の力で見つけなくてはならない。
奪う、与えるではないんだ。
「…だから、過去にしがみついて前を向けなかった、あんたにも責任あるよ!」
《…あ、あぁっ…うわああぁぁぁっ…》
自分のこれまでの行いをバッサリ指摘され、鹿畑倫子さんは一層泣き叫ぶ。
頭を抱えて、崩れて…。
《わかってた…わかってたぁぁ…うわああぁぁっ…》
儚く、脆くて…。
その様子を黙って見ていた菩提さんだったが、そこで「…なずな」と、呼び掛ける。
こっちを向いたなずな。
目を合わせて、二人で頷いていた。