俺のボディガードは陰陽師。
なんだかよく意味のわからない会話だ。
でも、あえて質問せずただ聞き流すのみとするけど。
戦場となったホールを出て、両親二人連れ添って歩くその背中をじっと見つめて思う。
親父の左腕に手を回して、くっついて歩く母さん。
その仲睦まじい様子を見て、考えさせられるものがあった。
クソヤローの親父。
この件が終わったら、おもいっきりぶん殴ってやろうかと思ったけど。
《愛してる…美織》
…母さんに免じて、許してやろうか。
「…伶士くん」
「あっ…はい」
そんなことを考えていたら、菩提さんが後ろからやってきて、歩く俺の横に並んだ。
「伶士くんにも聞きたいことがあったんだけど…」
「え?何ですか?」
「…伶士くん、さっき現れた厨二病クソヤローと、どこで会ったんだ?」
厨二病クソヤロー…?
…って、あぁ。
あの黒い翼の男性のこと?
菩提さんとなずなと敵対しているような印象ではあったけど。
「会ったというか、なんというか…」
「あのヤローの口振りじゃ、あの場で初めて会ったワケじゃないよね」