俺のボディガードは陰陽師。

なんだかよく意味のわからない会話だ。

でも、あえて質問せずただ聞き流すのみとするけど。



戦場となったホールを出て、両親二人連れ添って歩くその背中をじっと見つめて思う。

親父の左腕に手を回して、くっついて歩く母さん。

その仲睦まじい様子を見て、考えさせられるものがあった。



クソヤローの親父。

この件が終わったら、おもいっきりぶん殴ってやろうかと思ったけど。



《愛してる…美織》



…母さんに免じて、許してやろうか。





「…伶士くん」

「あっ…はい」



そんなことを考えていたら、菩提さんが後ろからやってきて、歩く俺の横に並んだ。



「伶士くんにも聞きたいことがあったんだけど…」

「え?何ですか?」

「…伶士くん、さっき現れた厨二病クソヤローと、どこで会ったんだ?」



厨二病クソヤロー…?

…って、あぁ。

あの黒い翼の男性のこと?



菩提さんとなずなと敵対しているような印象ではあったけど。



「会ったというか、なんというか…」

「あのヤローの口振りじゃ、あの場で初めて会ったワケじゃないよね」


< 440 / 504 >

この作品をシェア

pagetop