俺のボディガードは陰陽師。

「…リグ・ヴェーダが現れました」

「は…?」

「実は、今回の件もヤツが一枚咬んでいました。恐らく、橘社長の周りをうろついていたら、彼女の生き霊を見つけ…ということだろうと」

「あいつ…!」



手を止めて、眉間にシワを寄せる。

その表情からは少なからず動揺が滲んでいた。



「優(すぐる)の仇が…とうとう…」

「恐らく魔界から戻って来ました。しばらくはこの世界にいるだろうと」

「そうか…」

「事変が終わってから二年。ヤツと決着をつける時が来ました。我々はヤツを追い続けます」

「…そうか」

「…あと」

「何だ。恐い顔して。ポーカーフェイスのくせに」


少し間を置いてしまったのは、口にするのに躊躇したからか。

その息をのんでから、口を開く。



「ヤツに指摘されて気付いたのですが…」



表情が出てしまったのは、動揺が滲み出ていたからで。



「…伶士くんには、リグ・ヴェーダと同じ霊力があるかもしれません…」

「は…」



それは、時間が停まったかのように思えるほどの衝撃で。


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