俺のボディガードは陰陽師。
こらああぁぁっ!
…と、怒鳴り散らしたいのだが、あまりにも全てをカミングアウトされたので、その場で急速冷凍フリーズしてしまった。
おい…!
言ってたことそのまま全部親父に喋っちまうとか、何してくれるんだぁっ!
これ、陰口に近いものあるよ?!
それに、そんなの鼻で笑われるか、『言いたいことはそれだけか?』みたいにあしらわれるに決まってんだろが!
なずな、このっ…!
「え?…は?」
親父は眉間にシワを寄せて疑問系の顔で、なずなと俺を交互に見る。
その表情を恐れて、目を合わせないようにしてしまう。
気まずくて嫌だな…。
「伶士…そんなこと思ってたのか?」
「………」
親父にズバリ問われて、そのまま無言で俯いてしまう。
恥ずかしいのやら、何なのやら。
女々しいとか思われてそう。
あー。嫌だ嫌だ。
すると、親父の「はあぁぁ…」という深く長いため息が聞こえてきた。
胸がズキッと痛む。
「出来が悪いとか、期待してないとか、誰がそんなこと言ったってよ…」
「………」
「可愛い我が子をそう思うほど、俺は冷徹人間じゃねぇぞ…」