俺のボディガードは陰陽師。
あの同居生活で、完全に心を持ってかれた。
なずながいなくなっても、寂しくなったりせず前向きではあるが。
前向きになればなるほど、なずなのことばかりを考えては胸を高鳴らせてしまう。
学校で顔を合わせて挨拶の一言でも交わすことが出来たら、嬉しくなったり。
会えない時は会いたい…と、思ってしまう。
これはもう…恋の病だ。
実は、今日も会えるとなったら、物凄く楽しみにしていたし。
一緒にいる今、こんなクソ寒い中でも、照れ臭いけど…二人きりで嬉しいし、ドキドキしてんだよ。
本っ当に…。
「そうだ伶士。サッカー部、全国大会おめでとう」
「ああ。…でも、先月の話だよ」
「正月にテレビでやってるやつだろ?伶士もテレビに出るの?」
「テレビに出るって…」
「いつやるのかみっちょに聞くわ」
「おい。ここに出場する本人がいるんだから、俺に聞けばいいだろが」
「それもそうだな」
ガクッとさせられる。
何で俺のことはみっちょ経由なわけ?
俺本人に聞いてくれよ…。
道のりは険しそうだ。
「…あ、あと。おみやげある」
「は?おみやげ?」
なずなはそう言って、自分のハンドバッグを開けて、中に手を入れている。