俺のボディガードは陰陽師。
「じゃーん!伶士におみやげー!外さないよ?間違いなし!」
そう言って、手の平サイズの紙袋を手渡される。
しかし、袋のロゴを見て一気にアガる。
「…旭川の?動物園?!…何で?おまえ、行ってきたのか!」
「あははー。ちょっと依頼でね?動物園からの依頼」
「動物園の?」
「うん。動物園のオランウータンが、悪霊に憑かれてご乱心して暴れていたので、浄霊しに」
「オランウータンが暴れる?…ペンギンは!ペンギンは無事なのか!」
「建物が違うから無事」
「ならよかった…」
しかし、オランウータンも悪霊に憑かれるのか。
相手は人間だけじゃないってか。大変だな。
中を開けると…ペンギンのボールペン!
これ…新作!新作のボールペンだ!
ペンギンの形をしたボールペン!…欲しかったヤツ!
あと、カプセルトイも入っていた。
ペンギンのミニチュアサイズの模型…!
「や、やった!やった!ありがとう!マジやば…」
「伶士のアガったとこ、久々に見た」
あ…。
急に恥ずかしくなる。
ボールペンひとつでこんなに騒ぐとわ。
「渡し甲斐あるなー」
なずなはそう言って笑う。
その普通の笑顔は、俺を虜にするには十分で。
…これ、宝物にしよ。