俺のボディガードは陰陽師。
柊斗さんは、鹿畑倫子さんによる俺の事件の全貌を知ったらしい。
「だーかーら!結婚前に女は全部綺麗に処理対応しとけっつったろが!…美織ちゃんにも、伶士にまで迷惑かけて!」
「だぁーっ!俺はやることはやったぞ!もう不可抗力の域だっつーの!」
「ツメが甘いんだよおまえは!因果応報だわ!」
リビングで口論。
久々の光景だ。
王様気質の親父。
そんな親父に、ズバッと強く説教出来るのは、学生時代からの親友であるこの人しかいない。
「ホンっト。巻き込まれて可哀想だったな?伶士?」
「あ、まあ…」
柊斗さんは、ソファーで瞳真くんとくつろいでいる俺の傍にやってきて、頭を撫でてくる。
「ったく、悪霊になった不倫相手に子供が襲われるって、どんな因果応報だよ。伶士にちゃんと謝罪したのか?」
「うるさいぞ柊斗!今着替えてくるから、伶士に余計なこと言わずに黙ってろ!」
「はいはい」
そう言って、親父は一旦姿を消す。
「…これからどこか行くの?」
「…まあ、ちょっと。すぐ戻るけど。もし腹減ったら瞳真と先に食べてて?」
「はい」