俺のボディガードは陰陽師。
父がなかなかユーモアがあるおかげで、お金持ち一家の割には、他のセレブ家に比べて親子の壁ってやつは薄いと思っている。
セレブ友達の家なんて、親父に敬語を使わなければならないんだ。
「そういうワケで、忠晴。伶士に24時間戦える栄養ドリンクを」
「わかりました。旦那様」
「…いいよ。別に」
だから。24時間戦う必要あんのかって。
言ってること矛盾してる。
そんな会話をしながら、椅子に座ろうとすると、すかさず忠晴は俺のために椅子を引く。
そして、すかさず食事が登場する。
「…兄貴は?」
「頼智さまは、今朝お帰りになられて今は眠っております」
「また朝帰り…」
そんな兄貴の行動にやれやれ…と、思いながら、忠晴の用意してくれた好物の飲むヨーグルトに口をつける。
しかし、その時。
思わず手を止めてしまった。
(…?)
背筋が、ザワザワッとしてくる。
まるで…手で艶かしく、撫でられているかのように。
《…いして…》
同時に、どこからか聞こえて、頭に響く。
女性の声が微かに聞こえた。