俺のボディガードは陰陽師。


…その、用心棒とやら。

心配な人物ですけど。




「何だ何だ。学校行くの恐いならずっと休んでいても構わんぞ?」

恐い…?

「…は?行くに決まってんだろ。大事なブロック予選の最中なんだ。みんなに迷惑かけられるかよ」

「何を言っておる。そんなものより、おまえの身が命が一番大事だぞ?」

「………」



って、俺を学校に行かせないつもりだったの?

冗談じゃねえ。



そんなものより…?



何もコメントせずに、食事にがっついた。





(父さん達がいないと、か…)



おまえは、俺がいないと何も出来ない。

…そう言われているような気がして。




(………)




…何とも言えない、イラッとした真っ黒い感情に襲われる。




俺が凄く大事にしているものは、この家族にとってはとってもちっぽけなもので。

それは、俺自身のこともちっぽけだと言われているようで。



俺自身、自分がどこにいるのかわからなくさせられる。




…いつからだろう。

金持ちであることや、家族に対して、こんな真っ黒い感情を腹にこさえるようになったのは。





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