俺のボディガードは陰陽師。
《…あなたしか…見てないのよ……》
頭に大きく声が響き、体が震えた。
またあの声が聞こえて、辺りを見回す。
だが、そこで異変が。
…あれ?
みんな、この声には反応してない?
教室内の生徒全員、恐ろしく伸びてくる手に釘付け状態。
つまり…聞こえているのは、俺だけ。
まさかこれは、まさかとは言わなくても…!
悪霊とかいうヤツ…?
俺だけ…?
ゆっくりと真っ直ぐに伸びたその大きい手は、手の平がちょうど教室の真ん中まで伸びてきたところで、おもいっきり振り上がる。
凄まじい風が来て、吹っ飛ばされそうになった。
「きゃっ…!」
先程の爆風程ではなく、俺は足で何とか堪えられる程度だが、女子が吹っ飛ばされて転がる。
(あっ…!)
それに気を取られていると、向こうでも数人の悲鳴が上がる。
手の動きの爆風によって、何人かが薙ぎ倒されているのを、はっきりと見てしまう。
「や、やあぁぁぁっ!た、助けてえぇぇっ!」
何で…何でこんなことに!