俺のボディガードは陰陽師。
《…行かないで…邪魔しないで…!》
また、あの声が響いてくる。
みんなはさっき同様反応してないが。
「…あははっ!…ごめん!邪魔するのが今回の仕事!」
机の上で、腕を組んで仁王立ちしている鈴代なずなが、大爆笑を始めた。
鈴代…この声、聞こえるのか?!
その体勢のまま、ボソッと呟く。
「…単なる悪霊にしちゃ、妖怪並みに規模がデカい、見てくれヤバい」
だんだんとニヤリと悪く笑う。
「…でも、妖気を感じない。妖怪ではない…」
大きなバケモノの手が、急に飛び出してくる。
こっちに向かって…!
「障気がある…生き霊?怨念たっぷりだな?…それにしても規模がデカすぎるだろ」
鼻で笑って、鈴代は指を複雑に絡めてかざすように前に出す。
「…ナウマク・サンマンダ・ボダナン…マカ・ナーラ・ア・ビラ・ウンケン・ソワカ」
そう唱え出すと、複雑に絡めた指が光り出す。
薄いピンクの光を発して。
「蓮華、曼陀羅陣!」
すると、大きなバケモノの手の前に、突然として先程の円や字が描かれたガラスがショート音と共に出現する。
また、ピンクの光を発しながら。