俺のボディガードは陰陽師。




《…あああぁぁぁっ!…》




風を切って放り投げられたバケモノの手は、黒板の黒い靄にぶつかると同時に、爆風を伴って激しい爆発音を立てた。

一層の激しい風圧に、周りの散乱していた物品が舞って、自分の体もバランスを崩して吹っ飛ばされそうになる。



(あっ…!)



倒れそうになったが、腕を引っ張られる。

間一髪、倒れずに済んだ。




「伶士、こっちだ」

「…鈴代!」



目の前には、いつの間にか鈴代なずなが。

そのまま腕を引っ張られて、教室の外に出る。

廊下に出たところで、鈴代は化学教室のドアをピシャリと閉めた。

「伶士、ちょっとここで待ってろ」

「鈴代!…みんなが!ケガして意識がないヤツもいるんだ!」

「大丈夫だ」

「大丈夫って…!」




焦ってさっきの被害の程をうったえる俺に、鈴代なずなは悪そうなドヤ顔を浮かべる。




「先程のバケモノとのバトルは、私がヤツを撃退というカタチで勝利致しました。…てなわけで」




バッと右の拳を上にかざす。



ガッツポーズ?

ではなくて…。




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