俺のボディガードは陰陽師。
突き上げた拳には、光が灯り。
それは、どんどん集まるようにして大きくなり…。
一面オフホワイトの光の世界になり。
光が眩しくて、思わず目を伏せてしまう。
体がフワッと浮いた感覚を覚える。
「オン・キンナラ・ソワカ」
パン、と手を叩く音が響く。
眩しい光は、消え去り。
ようやく目を開けるが…そこは、いつもの廊下の風景だ。
「中、見てみ?」
ドヤ顔のままイタズラっぽく笑い、先程閉めたドアを少しだけ開けて指差す。
言われるがままに、そっと覗き込んだ。
(…あっ!)
…そこには。
バケモノの出現によって、めちゃくちゃになった教室。
の、光景はなく。
あれだけ散乱していた椅子や物品は、整然と戻っていて。
割れたはずの窓ガラスも、傷ひとつ入っておらず。
授業が始まる直前の、クラスメイトたちの談笑する姿。
「…あれー?伶士どこ行ったのー!」
「トイレじゃね?…っつーか、美森、あんまり伶士を利用するな。いくら伶士が水口先輩と幼なじみだからって」
「えー!だって!じゃあ颯太が東先輩情報サーチしてくれるのぉ?」
「しねー」