俺のボディガードは陰陽師。
(………)
…何なんだ!
何も可愛いとこなんかねえな!こいつ!
ムッとしていると、いつの間にか落ち込みからリバースしていた鈴代は、スマホを耳に当てている。
「…はい、わかった」と言って、スマホを耳から降ろしていた。
「…みなみちゃん、ごめん。玄関まで迎えに行ってくれる?来たわ」
「あ、はいはーい」
すると、麻倉先生は「イケメンイケメン♪」と、ルンルンと足取り軽く保健室を出ていった。
保健室に、鈴代と二人きり。
麻倉先生がいなくなると、室内がシーンと静まり返った。
鈴代は、俺の方に視線を送っている。
「…伶士、大丈夫か?」
「だから、大丈夫って言ってるだろ」
「いや。体じゃなくて。さっきのこと」
「さっきの?…」
…あ。
そう言えば。
鈴代なずなとのやりとりで、あれよあれよと慌ただしくしていたが。
落ち着いて思い返すと…体が急にゾクゾクッとし始めた。
先程の…バケモノの出現のことを。