俺のボディガードは陰陽師。
胸が…心臓が、ドクリと大きく波打つ。
黒板の真ん中に現れた、黒い靄。
そこから現れた…ピンクの長い爪を纏った、尋常じゃない大きさの、女の手。
吹き飛ばされるほどの爆風。
風で舞う、物、椅子…人間。
めちゃくちゃになった教室の惨状。
血を流して倒れる…友人。
血を…。
《…あなたしか…見てないのよ……》
《…あああぁぁぁっ!…許さない愛してる許さない愛してる許さない愛してる…あああぁぁぁっ!…》
頭に響き続けた、女の高い声。
思い出すにつれて、小刻みに体が震えて。
呼吸がしづらくなってしまう。
あれは…俺のせいだ。
最初のあの声が聞こえた時点で、気付いていれば、みんなを巻き込まずに済んだかもしれない。
鈴代の結界とやらで、何もなかったかのようになって、結果オーライなのかもしれないけど。
俺のせいで、みんなを巻き込んだのは間違いないんだ。
俺は…狙われているんだ。
得体の知れないバケモノに。
それを、ここで初めて実感するなんて。