私のアオハル(理想)はそうじゃない
そんな綾瀬の平和な陰キャ生活にヒビ、もとい、事件が起きたのは、入学式から半年ほど経った11月初めの、どんよりとした曇りの日だった。

いつもの総合でのグループ学習で、席替えの都合で陽キャグループに入れられてしまったのだ。
某DJ集団レペ○ン地球が好きな委員長の柳沢日菜子(やなぎさわひなこ)を筆頭に、皆キラキラしたイケメンや美女ばかり。対して花音は黒縁眼鏡と重めの前髪が特徴のど陰キャ。実は密かにレペ○ン地球が好きで、こそっとストラップを筆箱につけていた所、柳沢にバレてしまいその後友達となるのだが、それはまた別の話。

そしてそのグループには、後に綾瀬の人生を大きく揺るがす事になる張本人であり、この物語の第2の主人公である浅丘優雅(あさおかゆうが)も居た。

この時点での綾瀬の浅丘に対する認識としては、クラスに居る陽キャ程度だった。
向こうも綾部"さん"と他人行儀だったし、綾瀬本人も陽キャと深く関わる必要性も予定も無かった。
綾瀬も、「イケメンだなあ…」ぐらいの感想しかなかった。少なくともこの時点では。
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