松姫様からの贈り物
服のポケットの中、身の回りと至る所を探してみたけど……。
「あれっ!?ない……!」
どうして…?さっきまで私、その紙手で握ってたよね?
慌てて手を開いてみたけどもちろん手にも紙は見当たらなくて。
………どうしよう、なくしちゃった……
もう、最悪……
紙をなくして落ち込んでる時に不意に私の背中にあたたかい手が乗った。
「大丈夫ですか?落ち着いてくださいね」
優しく私の背中を撫でる手から安心感が流れてくるようで、次第に私の心は冷静さを取り戻していった。
「落ち着きましたか?」
「はい、ありがとうございました」