松姫様からの贈り物
男の人の掛け声と同時に襖がバタンと大きく開いた。
「ん?松姫様と──そなたは?」
げっ……バレた。
「何やら不自然な着物を着ておる…他国の娘か!?」
たくさんいる男の人の中の1人がカチャリと腰にある何かを手に持ちかけながら怒鳴った。
「何事だ?」
騒ぎを聞きつけてさっき真ん中にドンと構えていたおじいさんが早足でやってきた。
おじいさんはこちらにやってくるなり松さんを見た瞬間目を見開いた。
「おぉ、松じゃないか、どうした?」
「父上。結愛さんが帰れるまで私の屋敷にいてもらっても構いませんか?」
「この娘の事は聞いたが──」