松姫様からの贈り物


「姉上、早く信忠様のお嫁様になりたくて花嫁修行頑張ってるのよね?」


「…っ、そうよ!」


松さんは両頬をぷくっと膨らませてそっぽを向いてしまった。


ふふ……松さん、可愛い。


信忠さんの事で反応する松さんが可愛くて菊ちゃんと顔を見合わせて小さく笑いあった。


その日の夜──事件は起こった。


「御館様が徳川を攻撃した?どういう事ですか?」


「あら…?何かあったのかしら………」


外が少し騒がしいような気がする…。


「結愛さん、私少し義母上の所へ行ってきますね」


松さんはにっこり笑って御料を出ていった。
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