松姫様からの贈り物
──10分後──
なかなか戻ってこないな……松さん大丈夫かな?
少し様子を見てこようと思い、私は御料を後にした。
私が向かった先は躑躅ヶ崎館。
大広間に向かうと松さんの大声が聞こえた。
「うぅ……っ」
え……松さん、どうして泣いてるの…?
でも…私はこの世界の事を少ししか知らないし、私が口出ししない方がいいのかも……
大広間に入ろうか迷う。
だけど──松さんの事、放っておけない。
私は思いきって大広間に入って、松さんに声をかけた。
「松さん、どうしたの?」
私がそっと松さんに声をかけると松さんは私に抱きついてきた。