松姫様からの贈り物

「実は──」


私は柏木くんの事を松さんに話した。


失恋した事、柏木くんに会いたくない事──自分の気持ち。


涙が出そうになったけど、かっこ悪い所を見せたくなくて手をぎゅっと握って必死に堪えた。


松さんは私の気持ちを真剣に聞いてくれた。


「……無理して忘れる必要はないと思うわ」


え……、どういう事？


顔をあげると松さんは笑っていた。


「好きなら好きでいいと思うわ。でも、ただ好きではいけないと思うの。自分で彼に好きになってもらう様に努力するのよ。挨拶するとか、何か物を渡してみるとか。……それでもダメだったら、ずっと好きでいればいい」