松姫様からの贈り物


それでも好きなんだ…信忠さんの事を、本当に。


「松さんは信忠さんとの婚約が破棄されなければ正室になる予定だったの…?」


松さんは私の質問にゆっくり頷いて話してくれた。


「信忠様は私の他にも側室がいたけど正室は居ないって聞いてるわ。正室は1人しか持てなくて、」


「………!」


もし松さんの言う信忠さんの噂が本当なら、信忠さんは今でも───松さんの事を好きなのかもしれない。


松さんは………?


「松さんは…信忠さんの事を、好き?」


「えぇ。1度も会ったことないけれど、信忠様の事を愛してるわ………今までも、これからも」

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