松姫様からの贈り物
「これは………?」
手毬、かな?
百合の花が散りばめられていて赤色がベースの手毬。
「信忠様からの贈り物で頂いたものです。結愛さんに差し上げますね」
え!?
「これは松さんが持つべき物です!松さんが大切にしているもの、いただく訳には──」
私が慌てて返そうとした手毬をグイッと押し付けられた。
「これは──結愛さんに持っていて欲しいのです。お守りにでもしてください」
私を見つめる松さんの目は真剣だった。
……っ、そこまで言うなら。
「ありがとう、松さん」
ありがたく、受け取らせてもらうことにした。