松姫様からの贈り物
右手を開くと握られていたのは松さんにお守りとしてもらった百合の花が散りばめられている手毬だった。
これって確か…松さんの宝物の手毬……?
夢かと思ってしまっても自分の手の中にある松さんからの贈り物が夢ではないと物語っている。
夢、じゃ……ない………っ?
松さんと出会った事、たくさんお話した事……全部、全部───夢じゃ、ないんだ………っ
私は松さんと出会った事が夢じゃない事が嬉しくて胸元で手毬をぎゅ……と抱きしめた。
松さんは信忠さんにぶつかった。
1度も会ったことないって言ってたのに。
私もぶつからなきゃって、松さんのお話を聞いた時に思った。
柏木くんに、好きな人に思いっきりぶつかって"大好き"って言えるようになりたいって───。