松姫様からの贈り物


「はいはい、そう拗ねるなって。」


そう言ってまた笑ったのは湊くんだ。


「結愛、大丈夫?」


私の顔を覗き込んで心配してくれたのはお母さんだった。


「うん、大丈夫。」


お母さんに心配をかけたくなくてにっこり笑ったけど、ちゃんと笑えてるかな?


「ほら結愛、早くしないと置いてくぞ」


「あぁっ!ちょっと待ってよ!」


湊くん、なんだか今日……意地悪じゃない?


今までこんな事しなかったのに……っ、なんで?


「結愛!お弁当!」


慌てて湊くんを追った私をお母さんは追いかけてきた。


あーお弁当っ……忘れたら今日のお昼が消える……っ
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